尾道鉄道 廃線跡巡り 事前確認サイクリング

2019年9月19日に新尾道駅〜石畦(いしぐろ)間を歩き、大いに盛り上がった「尾道鉄道廃線跡巡り」。残る石畦〜市(いち)間の開催を望む声を数多くいただき、2020年2月8日(土)に開催することを決定しました。

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それに先立ち、事前にルートなどを確認することになりました。市街地から距離もあり、区間も長い。何か効率的にまわる方法はないだろうか。廃線跡なんだから電車で・・・。


電気で動く良い乗り物がありました!「e-bike」

e-bikeをレンタル出来るとのことでやってきたのが、尾道駅から程近い「レンタサイクルステーション 尾道ベース(https://onomichi-base.com/)」

ここではタイヤの小さなミニベロのe-bikeが数種類用意されています。

今回選んだのが、besvのpsa1。見た目からして普通の自転車とは明らかに異なるデザインです。「少し前の時代に描かれた未来の乗り物」が現実の世界に舞い降りた感じ(なんとも分かりづらい表現・・・)


使い方は至って簡単。バッテリーはサドルの下にあり、その横の鍵を回すと電源がオンに。左手のボタンで操作する出力は、オートの「S」とレベル別に「1〜3」が選べます。右手には、トリガータイプの変速レバーがあり、外装式の7段変速を操作します。

サドルを調整して、ヘルメットをかぶって出発の準備。当面は急勾配はないので、出力は「1」にしておきましょう。いざ、スタート!

ペダルを漕ぎ始めると、キュイーンというモーター音と共に、滑らかに動き始めます。加速力もなかなかなものですが、あまりペダルを漕いでいる感覚がありません。ペダルを漕ぐという入力に対して、モーターが出力しているといった感じです。

前回のスタート地、新尾道駅までは、一気に進むことにしました。新尾道駅の辺りは標高約30m程度なので、普通の自転車だと緩やかに登っているのを感じるのですが、e-bikeだと全く感じません。程なくして、新尾道駅へ到着しました。

ここからは、1つ目の山越え区間。なるべく線路跡に沿って走って行きます。最初は緩やかに登りながら、到着するのが「尾道高校下駅」跡。高校も移転したため、現在この地にあるバス停は「松岡団地口」という名前になっています。広島やなんばへ向かう高速バスも停まり、バス停としては規模の大きなもの。

ここからいよいよ勾配がキツくなります。現在のJR線の最大勾配が40‰とのことですが、ここ仙入峠越えも40‰の勾配が続く難所だったそうです。急勾配を前にe-bikeの真価が問われます。果たして押さずに登れるのか・・・


結論:余裕でした!

スゴいスゴいと笑っている間に、頂上にある「三美園駅」跡に到着。平地よりはペダルから返ってくる重さを感じたものの、坂を登ってきた感覚がありません。自転車で坂を登り頂上についた時に感じる達成感も何もない(笑)。

ここからは一気に下ります。


三成の市街地に入ると平坦になります。前回皆さんが興味津々だった、橋台跡や三成駅跡、線路堰堤の跡を利用したソーラーパネルなどを横目に、「石畦駅」跡にある石畦バス停に到着です。


前回のゴールはここでした。次回のスタートもここです。

2月8日(土) 12:30 集合です。

尾道市街地からは、尾道駅前4番のりば12:00発 46系統 御調高校前行き のバスが便利です。石畦が難読ですが、読みは「いしぐろ」です。


ここからは本格的な山越え区間。峠までは4km以上、登り坂が続きます。高低差も170m程度あるので、ここも40‰級の勾配が続くことになります。普通の自転車なら登ることを躊躇うところですが、ここまででe-bikeの性能を実感しているので、特に不安はありません。


坂を始めると右に石碑が見えます。1946年8月13日に起きた列車脱線転覆事故の慰霊碑です(事故の詳細はここでは触れません)。ちなみに事故後も復旧し10年以上運行されていたため、事故と廃線は直接は関係無いようです。


しばらく進むとトンネルが現れます。尾道鉄道もここにトンネルがありましたが、手前の木門田トンネルは車道用と一体に拡張されています。一方奥に見える開ノ木トンネルは、車道と歩道が分離されており、歩道側のトンネルは鉄道用のものが改良されて使用されています。


歩道用のトンネルは、補強工事などにより一回り小さくなっていると思われます。緩やかなカーブがいい雰囲気を出しています。


そして、尾道鉄道の遺構の中でもトップクラスのものが「4号トンネル」。当時の様子をそのままに残しています。


国道からも小さくチラリと見えるのですが、近づいてみると電車用のトンネルだけあって、その大きさを実感できます。レンガ積みの抗口と合わせて迫力があります。この感覚はぜひ、ウォークに参加して現地で味わってみてください!

トンネル内部も保存状態が非常に良いです。しっかり見たい方は、明るい懐中電灯をお持ちすることをオススメします。


まだまだ続く登り坂を登ってゆきますが、相変わらず坂を登っている感覚がありません。

そして、いよいよ峠も頂上。この頂上付近に「畑駅」跡があります。

草に埋もれているものの、ホームの跡が残っています。ここから山を下っていきます。


途中「畑トンネル」「諸原トンネル」を通ります。ここにも尾道鉄道のトンネルがありましたが、今はその面影を見ることはできません。歩道が片側にしかないため、トンネルの手前で立体交差となり道路の反対側へ渡ります。


トンネルを抜けると、線路跡は左へ曲がりますが、少し進むと工場が現れます。完全な私有地となっているようなので、ここは潔く迂回しましょう。


諸原駅跡。ここはスイッチバックになっていました。周辺を見渡すと、スイッチバックの地形の跡を見ることができます。

ここから先は、線路の跡は国道に転用されており、特に見るものも無く単調な区間となります。復路は旧道を通ってみましたが、こちらの方が眺めが良かったので、当日は旧道を通るのが良いかもしれません。下見って大事ですね。



尾道鉄道の終点「市駅」跡にある中国バス市出張所に到着です。左奥に旧道へと伸びる道があり、以前は駅前通りだったのではないかと思います。

もう少し進み、道の駅「クロスロードみつぎ」に到着。現在の交通の中心はこちらに移っています。新宿や広島へ向かう高速バスも、先ほどの市出張所ではなく、「クロスロードみつぎ」に停車します。当日はここで解散の予定です。

お帰りは、15:56発 4系統 尾道駅前行き を想定しています。

実際に歩いてみて時間が無いようであれば、市出張所で解散の可能性もあります。なんせこのバスを逃すと次は17:51までありませんので・・・。


お昼は「こなもん御調店」でラーメンとたこ焼きのセットを食べました。


復路ですが、木ノ庄バイパスの歩道が走りにくく車道は流れが速く危険なため、迂回することにしました。ルートとして選んだのは石見銀山街道に沿う道。

国道から脇道に逸れると、本日一番の急坂が迫ってきました。今までずっとパワーモード「1」で走っていましたが、流石にキツく「2」へ投入。アシスト力が一気に強まり、急坂を登り切りました。


峠を越えると美しい田舎の風景が広がります。下りもまた急坂&路面の凹凸がありますが、前後ディスクブレーキ&サスペンションの恩恵を受けることとなりました。




坂を下ったところにある常夜灯。なんと灯籠の上に狛犬を載せるという洒落たことをやってくれています。灯籠そのものの無骨な感じと、狛犬の精巧さの対比が面白く感じます。作者名は「尾道石工 小七郎」と刻まれています。


ここからは一気に尾道市街地へ戻りました。

御調からはの所要時間は1時間30分弱。往復で約40km、獲得標高約450mですが、疲労感はあまり無いです。バッテリー残量は、5段階中の3で、こちらもまだまだ余力があります。

というわけで、最新e-bikeの性能に感動しながら、無事下見を終えることができました。


尾道鉄道 廃線跡巡り3(石畦駅→市駅編)

・集合場所: 石畦バス停

・開始時刻: 12:30

・解散時刻: 15:50頃

(帰りは15:56尾道駅行きのバスがあります)

・解散場所: クロスロードみつぎ

・参加費:無料

・少雨決行、積雪等がある場合は止むを得ず延期することもあります。

※集合場所の石畦バス停までは尾道駅からバスでお越しいただくと便利です。

※総歩行距離が7キロを超えます。バスの時刻の関係からかなりの早歩きとなる見込みです。


おまけ

バッテリー残量があるので、そのまま向島の「高見山」(標高283m)へ登りました。

登山道路は平均すると90‰を超える勾配ですが、パワーモード2にすると難なく登れました!


頂上展望台からの多島美の絶景